前立腺が肥大し尿道を圧迫する。
肥大した前立腺の筋肉(平滑筋と言います。)が緊張して硬くなる。
その結果、さらに尿道が閉まって尿がでない。
これが前立腺肥大症の出発点です。
進行すると頻尿などの多彩な症状が出現します。
前立腺肥大症にはいくつかのお薬があります。
植物エキス:漢方薬のように働いて前立腺のむくみをとり、
尿道の圧迫を軽減します。
α1ブロッカー:前立腺の緊張をほぐして尿道をひろげます。
現在の主流のお薬です。
ホルモン剤:男性ホルモンを抑制することで、前立腺を縮小させて
おしっこを出しやすくするお薬です。
頭髪が増えてくるなどの良い作用がありますが、
性機能やPSA値に影響を与えますので、
泌尿器科医とよく相談してから処方を受ける必要があります。
漢方薬:私の場合、漢方薬を処方する訓練をきちんと受けていないので、
ほとんど漢方薬は処方していません。
というのは、漢方薬は処方の仕方が西洋の薬とは全く違うからです。
漢方の処方は症状に合わせて薬を選ぶのではなく、
患者さんを総合的に見立てた上で薬を選びますので、
同じ症状でも、患者さんによって処方される薬は違ってきます。
とは言っても古くからある前立腺肥大症の薬には、
テレビで宣伝中の一般の薬局でも買える薬がありますし、
泌尿器科用の漢方薬全般にあまり強い副作用はないようです。
漢方ご希望の方はご相談ください。
お薬が効かない場合は、手術を勧めています。